第1章

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大寒波が上空に居座り、只今の外気温-3度、ちょっと強めの風が吹いているから体感温度はもうちょっと下。 まあ、あたしは全身にカイロを貼り付け、防寒対策バッチリだから、そんなに寒くないんだけどね。 でも、道行く人達は身体を竦ませ歩いている。 あ、カモが来た。 「お兄ちゃん! 」 「え!?君は確か夏さんの妹さんの、冬ちゃんだよね?」 「うん、そうだよ。 お姉ちゃんにチョコレート貰えた?」 「僕なんかが貰える訳が無いじゃないか」 「ふ―んそうなんだ。 お姉ちゃんの代わりにあたしが上げようか?」 「君が?」 「うん! その代わりここで食べて行くのが条件」 「貰えるのなら食べるよ」 「食べてくれなければ、お姉ちゃんに言いつけるからね」 「絶対食べるから、頂戴」 手を差し出すお兄ちゃんの手の上に、あたしはブラックチョコレートアイスバーを乗せてあげた。
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