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ひとつ、ふたつ減っていく梨を、二人並んでシャリシャリ音を立てながら食べる。
家ではこうして横に二人並ぶことが多い私達。
肘が触れる度に跳ねる心臓を高良は知らない。
「これ、ママが持ってきてくれたんだよ」
「椿の?」
「うん。『お世話になります』って」
「お世話されてるのはあのオヤジのほうなんだけどね」
「『何かあったらすぐ連絡してね』って言ってたよ」
「父さんが?」
「ううん。ママ」
「……」
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