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チーン。 「……琴姉、和音さんに言いつけちゃ駄目だよ」 仏壇に手を合わせる私から負のオーラを感じ取った高良が、ふたつめの梨を剥きながら言った。 「父さんにバチが当たりますように」 「琴姉が謙さんに優しくなりますように」 「高良うるさい」 「梨もう食べないの?全部食べちゃうよ」 ムッとした顔で振り向くと、小さなフォークに刺した梨を私に見せる高良は、それを自分の口に入れるフリをした。 「食べるし」と言ってソファーに腰を下ろせば、高良の手から口元に運ばれる梨。 さっきの梨よりも甘く、みずみずしい果汁が口いっぱいに広がる。
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