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母がいない生活に慣れて約十年。
寂しいと感じることはなくなったし、不自由だと感じることも少なくなった。
それが良いのか悪いのかは別として、家族三人、なんとか上手くやれていると思う。
「謙さん。そろそろ時間じゃない?」
「あ、本当。父さん、仕事行くんでしょ?今日こそたんまり稼いできてよね」
「うん。琴音はね、少し高良を見習って父さんに優しくして欲しいな」
探偵なんていかにも不安定な職を生業とする父親に、今以上の甲斐性があれば。の、話だが。
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