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「琴姉。スカート、後ろ捲れてる」
「どこ?直して」
「ん」
出勤前の玄関先。
オートロックの扉を確認する高良は、先に門に向かって歩こうとした私に声をかけ、フレアスカートの裾を軽く引っ張った。
「高良、今日バイトだっけ」
「そう。琴姉より遅くなると思うから、待ってて」
「分かった」
高良は今年で大学生活を終える。
高校を卒業してからストレートで入った同級生達と比べ二年多くなってしまったのは、自宅から通える大学を二年前に受験し直したから。
そうしなくちゃいけなかった理由は
実は、私にある。
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