4/52
前へ
/146ページ
次へ
「もう晩ご飯の話?どうしようか、琴姉なに食べたい?」 冷蔵庫の扉をパタン。と閉め、振り返った高良が私に尋ねる。 大学は夏休みに入り、高良が主夫になる時間も自然と増えた。 「サッパリして冷たいもの」 のんびり食べていたらアイスの下の部分が溶け始めてきた。 棒から外れて落ちないように気をつけて齧る。 「ガッツリしたもの」 ちゅるり。と素麺を啜った父さん。 ……え。いるの? という表情をしているだろう私に 「いるよ。いーじゃん、俺んちなんだから。っていうか父さんの話聞いてる?」 寂しそうな顔をして訴えた。
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5086人が本棚に入れています
本棚に追加