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「サッパリしてガッツリしたもの……難しいな」 クスクスと笑った高良は私の伸ばした足を背中にしてソファーに腰を下ろし、「留守ってどのくらい?」と話を元に戻した。 エアコンで冷えた生足に高良の体温がじわりと染みてくる。 少しだけドキドキした。 思いがけず好きな人に触れられた時の感覚。 それに似ているような気がした。 「半月……あわよくば一ヶ月ってとこか」 「どこか遠出でもするの?公言して出かけるなんて珍しいね」 そんな秘密の感情を持つ私を余所に、二人の会話は続く。
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