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ゴトンゴトン、と私が乗る路線は山沿いに走っている為よく揺れる。 揺れる度に私の体も大きく左右に揺れる。 見慣れた風景が延々と続く、今の私にはじっと車窓を眺めている事が1番安心する。 「意外と近くに住んでたんだな」 突然の問いに咄嗟に言葉が出ずしどろもどろになってしまう。 「え、あ…う、うん」 頭がグルグルと思考回路が追いつかず、中々会話を続けられる様な言葉が思いつかない。 「ヨシダって…ヨシダってさ、俺のことどう思ってんの」 更に追い討ちをかける様な言葉が私を襲ってきた。 私達以外の人は誰もいない車両が益々胸を締め付けていく。 「え、そんないきなり答えられる訳…タチバナ…。私は…」 私は言葉が出なかった、こんな雰囲気でそんな事を聞かれるとは思っていなかった。 隣の席の友人程度と言ってしまったら、きっとタチバナを嫌な気分にさせるだろう。 ドキンドキンと心臓の動きが速くなる。 「ヨシダ…俺はお前に名前呼んでもらって少し恥ずかしかったんだ」 「え」 「お前と話すようになってから段々好きになってって…」 今までそっぽを向いていたタチバナはそう私に告げると、勢いよく立ち上がって私を見下ろした。 「あのさ付き合ってほしい、答えは待つから」 私の返事を待たないまま、タチバナはそのまま前の車両に歩いていった。
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