9/9
前へ
/49ページ
次へ
ぽっかりと大きな穴が空いた気がした。 タチバナは私の事をそんな風に思ってくれていたなんて…。 なんて返事をしたらいいのだろう、今の関係は崩したくないのに…。 「どうしたら…」 大きく電車が揺れる度に、力の抜けた体も左右に揺れ動く。 こんなに揺れていたら、涙が絶対に流れてしまう。 そんなこと電車は関係なく大きく揺れた。 今だけは無人車両で良かったと思う。 こんな泣き顔を見られたら堪ったもんじゃない。 足元には数滴、涙が溢れていて、また一滴二滴と数を増やしていく。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加