衝動

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デパートの中に入ると暖かい空気が体を纏ってきた。 「久々に来るとそうでもないわね」と姉が呟く。 「都会に住んでる人にはそう感じるんでしょ」 「数年前まではもう毎日のように来てたけどね」 そんなことを言うので、確か姉の母校が近くにあったことを思い出した。 「ああ…高校近いもんね」 「よくあのパン食べてたわ」 あははと笑いながら、姉の視線の先に赤い看板が下がるオシャレなチェーン店のパン屋さんがあった。 「お昼あそこで食べようか」と姉は言った。 私はうんと頷いた。 気付くと目の前にはエレベーター前まで歩いていた、土曜日だがそこまで人は居なくてあまり待たずに済んだ。
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