衝動

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目当てのフロアに着くと、姉はスタスタと目的のベビー用品店のお店に向かい歩き出した。 「歩くの早いね」私は早足で姉の後を追う。 それに気づいた姉は少しペースを落として、ごめんと片手を上げた。 「なんかウキウキしちゃって」 「私センスないし、ダサいの選ぶかもよ」 「妹に選んでもらう事が大事なの」 大きなお腹に抱えて姉は笑う。 そんな姉は母にそっくりで昔の姉とは違うんだと更に実感させる。 「あ、やっぱ可愛いわねえ」 姉は既にお店のフロアに入っていた、小さな服を手に取っていた。 「マリ!可愛いよ!見て!私こっちでベッド見てるから!」 姉は子供のようにはしゃぎながら、私に小さい服を渡すと様々なベビー家具が置いてあるコーナーへと消えて行った。
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