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タチバナに続いて私も教室に入る。
ドアを閉めようと取っ手に手を掛けたが、固くて諦めた。
まだ早い時間でポツリポツリとしか、人が居なかった。
最前列で窓側の私の席には、お決まりのようにタチバナが荷物を置く素振りを見せたので、私は素早く椅子を引いた。
「自分の机に置きなよ。」
私が少しムッとした顔でタチバナを見上げると、タチバナははいはいと生返事をした。
タチバナは私に言われた通りに机の横に掛けると椅子に腰を掛けた。
「ねえ、ヨっちゃんとタチバナ君デキてんの?」
後ろの席のハナちゃんがニヤニヤした顔で私とタチバナに問いかけた。
私はそうじゃないと、言おうと口を開いたがタチバナが遮るように
「どうだと思う?」と私の腕を引き寄せてハナちゃんに問い返した。
「え!?マジ!?んふふふ」
その意味深な質問返しに興奮したハナちゃんは口元を隠し、何やら良からぬ事をするのか携帯をいじりだした。
「ちょっと!なに言ってんの!?」
バシッとタチバナの肩を強く叩くと肩を抑えて痛がるフリをしていた。
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