episode179 検証する道化②

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「僕はいいから、あなただけ満足して」 柔らかく乱れる栗毛に 僕は両手を差し込みかき乱す。 「思いどおりに。僕は奴隷だ」 彼のパジャマのボタンを外し 熱く高鳴る胸に手を滑らせた。 「僕だけ満足する?無理だよ」 「どうして?いいのに」 僕が言うと 「違う」 愛らしい口元から チラリ悪戯に白い歯がのぞいた。 「僕が満足する頃には――君は子猫みたいに鳴きながら必死で僕の背中に爪を立ててるさ」 どんなやり方でも、必ずと――。 九条さんは挑発するように言って 僕を見つめたまま僕の指をゆっくり口に含んだ。
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