episode179 検証する道化②

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「来て」 僕は枕元の灯りを灯すと 半身起こして両手を伸ばした。 「この寒いのに裸で寝てるの?」 「シャネルの5番だよ」 「ウソつけ」 九条さんはすぐに僕の傍に来て 「何もいらない――君の匂いが一番好きだ」 裸の僕を愛しげに胸に抱いた。 「あなたは薔薇の香りがする」 「本当?」 肌触りのいいシルクと 彼の体温に包まれれば夢心地。 「違うな。もっと嗅がせてよ――」 僕は愛しい身体を引き寄せ あれよあれよと言う間にベッドに引きずり込んだ。
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