190人が本棚に入れています
本棚に追加
「来て」
僕は枕元の灯りを灯すと
半身起こして両手を伸ばした。
「この寒いのに裸で寝てるの?」
「シャネルの5番だよ」
「ウソつけ」
九条さんはすぐに僕の傍に来て
「何もいらない――君の匂いが一番好きだ」
裸の僕を愛しげに胸に抱いた。
「あなたは薔薇の香りがする」
「本当?」
肌触りのいいシルクと
彼の体温に包まれれば夢心地。
「違うな。もっと嗅がせてよ――」
僕は愛しい身体を引き寄せ
あれよあれよと言う間にベッドに引きずり込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!