episode179 検証する道化②

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「ねえ、待って」 凪は案の定 やらかしたって顔して額に手を当てる。 「早速だけどすぐに記事を書いて」 僕は腕組みしたまま 本物の使用人にするように彼に命じた。 「……なんて?」 早いこと行方不明の王様を 燻り出さなけりゃ。 「そうだな。件の天宮家の三男は、そりゃ実の兄でさえ夢中になりかねない妖艶な美しさだと。そして――」 僕はもう一度凪に近づくと 両手で彼を抱き寄せ 「何の疑いもなく使用人に化けた自分を受け入れ始めていると――」 唇を掠めて 右の頬にゆっくりと口づけてやる。 「よろしく頼んだよ――有能な記者さん」
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