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「やあ、ディア」
背格好は征司によく似た
同じく洒落者の旧友。
「椎名さん」
「元気そうだね、オフィーリア」
「ん」
「いや、せっかく正気に戻ったんだ。縁起の悪い呼び名はやめよう」
椎名涼介は切れ長の目を細めながら
僕のそばにやってきた。
「素敵な服だね。どちらのオートクチュール?」
「ん?これかい?ヴィンテージシャネルだよ。お祖母様のコレクションから拝借した」
「今度僕にも貸してくださる?」
「もちろん、君の頼みなら喜んで」
そして相も変わらず
無遠慮に僕の頬に口づけた。
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