第一章 幽霊部員

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 が、景子は先ほどの平野のリアクションに違和感があった。なぜか左側は大きく首を振るのに、右側の振りは極端に弱い気がしたのだ。  まるで壊れた人形みたいな感じだった。  「かっちゃん! もう一度、首を横に振ってみて」  「へっ? なんなの?」  平野は怪訝そうな顔をした。  「それよか、こいつフクロにしない? 逃げるよ」  見れば、こっそりハゲは起き上がろうとしている。  「あ! そっか!」と、景子はモップの柄を木刀のように振り上げた。
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