第一章 幽霊部員
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その怪事件が解決したのは、やや蒸し暑さを感じる六月初旬、梅雨が関東を覆っておらず、もう下校時間になっても空は茜色にならない頃だった。 本来なら景子は空手部の練習を始めている時間だが、春休みに開催された県大会で不覚にも右足首にヒビが入ってから、休部して養生していた。
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