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それに返すため、壮介も自分を紹介。
「俺は蓮田壮介。えっと、コフィンズ上級執行官? の助手をやってます」
普通なら大学生と言うべきところを死神の助手に置き換えて軽く頭を下げた。このことについても考えていることはあるのだが、今はそれよりジャージ美人である。
「よろしくお願いします」
ユジローにしてしまった挨拶ミスをおかさないように、少し気を付けて言った。
壮介の言葉を聞いて、美束は他の人達と同じ反応を見せる。即ち、
「ああ、キルコちゃんの例の」
という馴染みのリアクション。それより一つ、気になったことが。
「美束さんもキルコの知り合いなんですか?」
キルコの名前の呼び方が少し親しげに聞こえたことに、壮介は意外さを覚えた。
「そうですよ。よくここで会ったりするとお話しするんです」
なるほどユジロー繋がりか、と壮介は納得し。キルコがおとなしそうな美束にどうやって絡むのか少し気になったところで。
少し落ち着いた様子のユジローは、「立ち話も何だから」と部屋の奥へと二人を促した。当然の如く壮介も連れていかれ、その自然な流れに逆らうことはできず、同席。
作業場にあるテーブルの上の図面やら大きな部品やらをどかすと、ユジローはその席に座るように言う。彼はコーヒーを用意し、テーブルに座ると言った。
「美束サン、今日は何用で?」
その言葉で美束も本題へ。
「いつもと同じで、ちょっと魔導具開発のアドバイスをもらおうと」
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