1人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっと…。」
突然のことで戸惑ってしまう。
よく顔を見ると、ものすごく美人だ。
同い年くらいなのに、僕とは大違いだ。
大きな丸い目、ピンクの髪の毛、後頭部位置で結んでいる黄色のリボン。
そして、その立ち振る舞いも清楚であった。
「私はね、大好き。
綺麗で、でも儚くて。それって、人生と同じじゃない?」
桜を人生と例える彼女。その顔は笑顔に満ちている。けれど。
「綺麗に輝けるのは今だけ、いつかは儚く花びらのように落ちていく。」
悲しそうな顔で言う。
泣いてしまいそうな、消え入りそうなその顔で俯きがちに呟く。
何か言わなければ、咄嗟にそう思い口にする。
「僕も…桜は好きです。」
すると、彼女の顔はぱぁっと明るくなり、目の奥には純粋そうな光まで見える。そんな雰囲気。
最初のコメントを投稿しよう!