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A子の気持ちを表すかのように、冷たい風が街全体に吹きすさぶ。
どうやらチョコは受け取って貰えなかったようだ。
B「……」
いけると焚きつけた手前、どう声を掛けるべきなのかが分からないでいた。
A「あ、B」
B「よ、よう……」
こちらを振り向いたA子の目は腫れていた。
A「駄目だったよ。他に好きな人が居るんだって」
B「そうか……」
気丈に振舞っているつもりだろうが、声が震えている。
くそ……、自分が情けねえ……。
俺は、こうなるまで気が付かなかった。失いかけて初めて気が付いた。
ーーA子を好きだという気持ちに。
B「ーーそのチョコ、俺にくれないか?」
「え?」
当然戸惑うA子。
だけどそんなのは関係ない。俺はA子のチョコが欲しいと、相手の目を見て真剣に思いを伝える。
A「……ありがとう」
今、A子に俺はどう映っているのかは分からない。ただ、この気持ちがいつか届けばいいなと俺は思った。
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