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俺の拙い推理では、空き巣目的というのは嘘で、犯人は被害者を殺すつもりでわざわざ家に出向いた。その前に、誰かに被害者宅に行くことを話していた。それを聞いた誰かこそが、訃報の書き込みを続けている人…こんな感じなんだけど、しっくりこないのは自分でも判ってるよ。
あれこれ考えてたら、また掲示板に書き込みが上がった。
訃報 A市K区のSさん、□月△日。交通事故。享年二十五歳。
お? これ、今外回りしてる同僚と同姓同名年齢までまったく同じなんだけど?
あいつ、今日死ぬの? 交通事故で? それはご愁傷さま…と、馬鹿げた冗談を笑い飛ばしかけた時だった。
「…はい。そうです。え? Sが事故で? はい! はい!」
かかってきた電話を受けた後輩の女の子の声が変わる。そのただならぬ様子に部署中の皆が息を飲む。
やかで通話が終わり、後輩が悲痛な顔で叫んだ。
「今、総合病院から連絡があって、Sさんが交通事故で……!」
俺の手から、サボりで見ていたスマホが落ちた。
続・掲示板の書き込み…完
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