エピローグ

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「……キミはいつまで彼女に縛られ続けるつもりなんですか? こうして、罪を償っているじゃないですか?」  上司の言葉に俺は小さく苦笑する。 「あの瞬間の彼女は、あの瞬間にしかいないんです。どんなに次の彼女を幸せにしても、あの瞬間の彼女には罪滅ぼしはできないですから」  だから俺は成仏ではなく、ここで死んだ人を次の世界に送り出す仕事をすることを選んだ。  しかしこれで、彼女への罪が消えるなどとは思ってはいない。  それに、俺はまだ自分自身を許せてなどいない。  __自ら死を選んだ俺を。  俺が死を選らばなければ、あの日の彼女も死ぬことはなかった。  そして死んでも尚、自分自身に生まれる価値が生きる価値がないなどと思うこともなかったのに……。  彼女の転ぶくせは、自らを死に追いやるくせなのだ。微かにある魂の記憶が、死を急がせる。  だけど、これからはきっと大丈夫。
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