プロローグ

2/14
前へ
/393ページ
次へ
 __河野明美(かわのあけみ)十七歳。  誕生日を目前に、私は死んだ。  それも不慮中の不慮の事故。  まさか何もないところで勝手に転び頭を打って死ぬなんて……。  と、嘆きたいのは山々だが確かに昔からよく転んでいた。  段差もないのに躓いて。何もないのに足がもつれて。  “__いつかお前、転んで死ぬんじゃね?”  そう言って、しょっちゅう笑っていたのは小学校からの幼なじみの翔太(しょうた)だった。
/393ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加