粉雪

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「やっぱり来てくれた。座り続けて不安だったけど忘れていなかったのね? 最後に逢ったのがこの場所だって事」 「忘れてないよ。あの日を思い出すなぁ…手作りのチョコくれたよね?」 「そう。今日も作ってきた! これからずっと居てくれるんでしょ?!」 「…そうしたい…こんな夜空を一緒にずっと見て…」 「あっ、雪だ、粉雪だ!」 「本当だ、一片だけどキラキラとハッキリ見える! 仲間からはぐれてしまったのかなぁ? あの雪…」 「ねぇ? わたし達も独りぼっちなの?」 「2月14日はここに来るよ、だから淋しくないよ」 「…ずっと淋しかった。あなたがわたしの届かない所へ…もう苦しくない?」 「ミユキ… なぁ、ミユキ?」 「なに?」 「認めたくないのは分かる。でもな、病気で他界したのは」 気が付くとミユキの姿はなく可愛らしい箱が置いてあった。 やがて、二片目の粉雪が降ってきた。
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