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…………
夫が病を発症して、今日で丸一年がたった。
夫はまだ完全には消えていない。だが、もうほとんど私に夫の姿を見ることはできない。
最後に彼の姿を見たのはいつだっただろうか?見える日を数えたほうが早いくらいだ。
目安と言われていた1年は超えた。もういつ夫がいなくなってしまってもおかしくはない。だからこの一年間、色々やってきた。私たちが出会ってから今までで、この一年間ほど同じ時を過ごし、感情を共有し、お互いのことを考えた時は無かっただろう。
だけど…。
それでも、あの手の温もりが、私を呼ぶ声が、私の愛する夫のすべてがこの世から消えてしまうことが、たまらなく悲しくて怖い。
私が溢れる涙を堪えられないでいると、目の前のノートに何か書かれる気配がした。
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