6人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、インターホンの前を離れた彼は、そのまま玄関へと向かった。
まさか、ここの開け方まで忘れてないよな。
だが、それは彼の取り越し苦労。
程なく、カチャッと鍵が差し込まれる音がして、大きな玄関の扉が開かれた。
「お帰り」
「た、だいま……」
玄関で出迎えた彼にちょっと驚きつつも、
恥ずかしそうな彼女の顔が照れ笑いを浮かべ、
おずおずとした足取りで中に入ってくる。
「おいで」
忍は、そんな彼女に手を差し出した。
そして細い手を取り、真新しく二人で揃えたスリッパに足を入れた彼女を
リビングへと連れて行く。
最初のコメントを投稿しよう!