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「にしてもまぁ、暇だなぁ~」
深海棲艦が現れて数年、近海の海には平和は戻っているがそれでも稀に深海棲艦が現れることがあるので未だに海に出る際には艦娘の護衛を付けなくては安全な航海が出来ないのだが、出航した港どころか島の影すら見えなくなっているほど沖に出ているのに艦娘の護衛が一人も付いていない船が一隻あった
小型のイージス艦ではあるがいざ深海棲艦が現れたら何も出来ず沈んでしまう可能性の方が高いであろう、しかしそんな中をかれこれ数時間航海し続けているのである
その船の船室にて少女は気だるそうな感じでベッドの上で転がっていた
「やっぱりこんな辺境だと深海棲艦のシの字も無さそうだなぁ、これならのんびりグタグタとしても平気そうだな」
そう呟き、一眠りしようかと思っていたら部屋の入り口から老人の声が聞こえた
「いやぁすまんのう、本来ならお前さんには実力に見合った所に着いてもらいたかったんじゃがなぁ」
だらしない格好でベッドに寝転がっている少女とは対照的にしっかりとした身だしなみで本来ならば少女の方が注意されていそうなのだが老人は申し訳無さそうにしていた
「それ以前にせめてノックしてから部屋に入ってきてもらえませんかね元帥殿、これでも一応は女ですので」
「はははは、そういえばそうじゃったな」
元帥と呼ばれた老人は上機嫌に笑い出したが少女の方は表情こそ変わってないが更に気だるそうになっていた
「しかし私からしたら今回の件は元帥殿が謝ることじゃ無いですよ、むしろ私は感謝していますよ」
「じゃがのう、お前さんほどの実力者をこんな辺境に置いておくのはのう」
元帥は不満そうにしているがそれに対して少女は
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