第1章

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僕の足音に気が付いた、公園の階段に座っている少女が振り向き、声をかけてくる。 「待っていたわ、修ちゃん! はい、これチョコレート」 「ありがとう」 僕はそれを受け取った。 その後スマホを取り出し電話をかける。 「あ、父さん。 お祖母ちゃんいたよ。 山の上の公園の階段の所。 僕をお祖父ちゃんと間違えて、カレーのルーを渡して来た。 駐車場まで連れて行くから迎えに来て」 「修ちゃん、誰とお話しているの? 早くチョコレート食べましょうよ」 「寒いから家で食べようよ、ネ」 「そうね、そうしましょう」 少女は、僕の差し出した手を飛びつくように握る。 僕達は恋人同士のように手を繋ぎ、駐車場に向けて歩き出した。
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