これは、あなたの分なんだから

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「…もう時間だぞ。」 「後10分…ううん…後5分、待って。」 「駄目だ、これでも譲歩してるんだぞ。後3分。それ以上は、待てない。君が、なんと言ったって、時間になったら、強制回収だ。」 リボンの掛かった小さな箱を握りしめたまま、私は、振り向きもせず、答えるの。 「ありがとう、エル。…私の我が儘きいてくれて。」 「礼には及ばない。俺は、女の子には紳士的に振る舞うことにしてるんでね。まあ、相手によりけりだがな。」 背後から聞こえるエルリックの声から、その後の彼の行動まで、私にはわかる。きっと、頭を掻きながら、照れた顔をしているんだわ。 …やっぱり、待たせるのは悪いわよね。 立ち上がった私は、勇気を出して差し出すの。 「お待たせ!ハッピー☆バレンタイン、エルリック!」
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