第1章

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その頃、弾道ミサイルが飛び去った方向にある隣国の港では、修学旅行に向かう中高生を乗せた大型客船が、乗員乗客の家族の見送りを受け出港した所であった。 その大型客船の横っ腹に、レーダーに感知されにくい海面ギリギリの所を飛んでいた弾道ミサイルが激突。 弾道ミサイルに弾頭は搭載されていなかったが、射程距離を大幅に伸ばした長距離ミサイルだった為、大量の燃料が積み込まれていた。 その燃料が、大型客船の横っ腹を突き破り、船の内部にミサイルがめり込んだタイミングで爆発。 大型客船は瞬く間に炎に包まれ、見送りに来ていた乗員乗客の家族の目の前で、救出する時間も与えず数分で沈没。 この事故は即座に隣国の大統領に報告される。 隣国の大統領はこの時、同盟国の大使と会談中であった。 大統領は大使との会談を打ち切り、軍のトップを執務室に呼び出す。 会談を打ち切られた大使にも連絡が行き、大使は大統領に思いとどまるように申し入れる。 「大統領、これが攻撃なら1発で済む筈がありません。 何らかの事故とみるべきです」 「大使、我が国と我が国の国民は、我慢に我慢を重ねて来たのです。 仮にこの攻撃が事故であるならば、今すぐにでも謝罪の言葉がある筈なのに、攻撃から20分以上経つのに何の反応も無い。 我が国はこの攻撃を、奴らの宣戦布告と受け取りました」 大統領は執務室に入って来た軍のトップに命令を下す。 「全軍に通達。 あのクソッタレ共をこの世から根絶しろ」 この攻撃命令により、自国と隣国の同盟国も戦争に巻き込まれ、世界は核戦争へ続く道をひた走る事になる。
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