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断末魔の叫び声を心地よく耳にしながら、うっとりと目の前の動かなくなった死体を見つめる。
ああ、なんて美しいんだ・・・。
この鮮血の見事なことといったらどうだ?
血特有の、錆びた鉄のようなかぐわしい香り。
死んでなお恐怖に怯えた顔つきが、私の背筋をゾクゾクさせる。
「見てごらんマリア、美しいだろう?この内臓の色っぽいことといったら・・・」
「・・・はい、旦那様」
マリアと呼ばれた美しい女性が、暗く沈痛な面持ちで死体を見つめた。
「この死体も、いつものように頼むよ、仙崎」
「かしこまりました。旦那様」
初老の男が無表情な顔のまま、美貌の男性に頭を下げた・・・。
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