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―Side ゆず―
「ゆず、おはよう」
速水翔くんとお付き合いするようになって2週間とちょっと。
テスト期間も終わって、翔くんのバスケ部の朝練のない日は一緒に登校するようになった。
って言っても、まだ今日で3回目だけど。
あたし、神崎ゆずにとってはじめての彼氏。
だからまだ、慣れないこの時間。
ドキドキするのは、仕方ないことなのかもしれないけど。
それに加え、周りの視線は…チクチク痛い。
校内である意味有名だったあたしたちは。
さらに注目を浴びるようになってしまったのは言うまでもなく。
愛美いわく、憧れのカップル…らしい。
「だいぶ減ったかな…」
あたしの独り言に、翔くんはニコリと笑って。
「俺たち、見世物じゃないのにな」
意味が通じたのか、ちゃんと応えてくれる。
彼の声に反応するように見上げると、翔くんに朝日がキラキラと反射してさらに輝いて見えた。
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