Act.10

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バスケ部エースの対峙する姿は、周りの視線を集めていた。 体育館の中に入っていく一際目立つ二人の姿に、女の子たちは熱い視線を送っていた。 キリッと引き締まったその表情に、どれだけの人が見惚れていたのだろう。 相変わらず人気のある彼の後ろ姿に、心の中でこっそりとエールを送ってから。 「あたしたちも行こうか」 それを追いかけるように体育館の中へと入っていった。 体育館の中に入ると、思った以上の熱気で蒸し暑いくらいだった。 中に入るのもやっとなくらい。 特に女の子の姿が多いところを見ると、目当てはもちろん秋山くんと翔くんだろう。 予想はしていたけれど、ここまでだとは思わなかった。 少し視線を移動させれば、見たことのある女子生徒の姿がチラチラと目に入ってきた。 いつも昼休みに、翔くんたちのバスケを見てはキャーキャー騒いでいる子たちだ。 まだ試合も始まっていないのに、今からキャーキャー言ってはしゃいでる姿を見ていると。 楽しみなのはわからなくもないけれど、その勢いに圧倒されてしまう。 「……すごい」 あたしの言葉に、若干うんざりした顔してる可奈を見たら思わず笑ってしまった。
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