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少し引きつった顔で周りをぐるっと見渡したあと、あたしに曖昧な笑顔を向けながら隣に並んだ。
秋山くんよりも大きい森くんを見上げれば、もともと細い瞳をもっと細くして笑った。
普段は温厚で優しい森くんだけど、何度か見たバスケの練習ではまるで別人のようにどっしりと構えてそれは威圧感たっぷりで。
そんな森くんがゴール下を守ってくれるから、秋山くんはのびのびとバスケをすることが出来るのだと思う。
同じバスケ部だけあって、お互いに信頼しあっていているのがわかった。
さすが、秋山くんや翔くんと同じスタメンだけある。
きっと、このギャラリーの中には森くん目当ての子もたくさんいるだろう。
そう思うと、ここでこうやって森くんと話をしていることもちょっと居心地が悪くなっ手しまう。
「大丈夫だよ、そんな顔しなくても」
あたしの表情で察してくれたのか、心配ないとでも言うかのように柔らかく笑った。
笑ったその瞳はなくなってしまうくらいに細められて、その笑顔に癒される。
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