Act.10

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試合開始直前。 ガヤガヤとうるさかった体育館の中が、一瞬だけシーンと静まり返って。 試合開始の合図とともに、ドッと歓声が沸きあがった。 ジャンプボールを制したのは森くんで、そのボールはすぐに秋山くんに渡り速攻を仕掛けたのだ。 もちろん、ほとんどバスケ経験のない相手チームが、その攻撃に追いつくはずもなく。 あっという間に決まった先制点に、さらに大きな歓声が上がった。 こうなることは予想できていたはずなのに。 力の差は歴然だったはずなのに。 圧倒的な強さを見せつけた秋山くんたちから目を逸らすことができなかった。 瞬きすることも惜しいくらい、ギュッと握りしめた手のひらに爪が食い込んでもその力を緩めることが出来ないくらい。 この試合の流れの速さに興奮させられた。 もちろん、結果は圧勝。 心配することもなく終わった一回戦。 秋山くんたちの強さは、ホンモノだ。
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