Act.10

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「きゃーっ! すごいね!!」 試合が終わった瞬間、彼らの周りにあたしたち女子メンバーが駆け寄って。 秋山くんたちの周りを取り囲む。 「おめでとーっ!」 タオルやドリンクを手渡しながら、その誰もが笑顔で。 「お疲れさま」 あたしが持っていた秋山くんのタオルを、笑顔で渡した。 見上げた先の秋山くんは、どこかホッとしたようで、少し眉を下げた困った笑顔にも見えて。 「どうしたの?」 いつもと少し感じが違う秋山くんが気になって、そう声をかけると。 フッと、小さく笑って。 「よかった、勝てて」 「えっ……」 「これでも、けっこう緊張してたんだよ」 秋山くんからは思っても見なかった言葉が聞こえてくる。
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