433人が本棚に入れています
本棚に追加
「秋山くんでも緊張するんだ……」
「そりゃあ…ね。まあ、初めから負けるつもりもなかったし、このチームなら大丈夫だって思ってたけど。初戦だしね、このメンバーでちゃんと試合をするのは初めてだったから」
「そっか……そうだよね。でも、すごく強かった。これなら本当に優勝だって狙えるよ」
「もちろん、そのつもり。だから――」
こんなところで躓くわけにはいかないんだ……
そう呟きながら、秋山くんの視線の先は、次の試合のためにアップを始めた2-Eへと向けられていた。
視線の先のコートの中には、翔くんと隼人の姿が見えた。
「……翔には悪いけど、俺たちは負けないよ」
「えっ……?」
「今日だけは、ゆずちゃんの応援を独り占めできる。なんてね、同じクラスの特権」
キョトンとするあたしを見下ろしてクスクス笑う秋山くん。
「前にも言ったけど…絶対に手は抜かない、男と男の真剣勝負だ。だから最後まで見守ってて欲しい」
さっきまで笑ってたくせに。
急に真剣な顔でそんなことを言われたら、ドキドキしないわけないじゃない。
「……今日だけ、俺を見て」
最初のコメントを投稿しよう!