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校内で“王子様”と言われるだけあって、その笑顔は破壊力抜群で。
その優しく細められた瞳に吸い込まれてしまいそうになる。
なんて、乙女チックな考えに一人頬を赤く染めた。
…恋愛経験の乏しいあたしには、彼は刺激が強すぎます。
はじめはただ見ているだけだった。
あたしと同じように、いい意味でも悪い意味でも目立っていた人だから。
あたしと同じように偽者の自分を作り、愛想笑いも当たり前の毎日。
勝手なイメージばかりが一人歩きしてしまって。
そのイメージに自分を合わせることが苦痛だったはずなのに。
慣れって恐ろしいもので、それが普通になってしまうのだ。
ほんの少しの興味と、ほんの少しの同情。
それだけ。
のはずだったのに……
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