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「ほら、本当に来ただろ?」
俺の目の前、少し得意そうに言う櫻井に冷ややかな視線を贈るゆずの姿が見えた。
「わぁ、マジか。あの速水翔と一緒にやれるとかすげえじゃん!」
あの…って何だよ。
そう突っ込みたいところだけど、初対面なのでグッと我慢して。
「よろしくな」
まずは当たり障りなく返しておくことにした。
「まっちゃんチームに翔入れるぞ。で、俺と泰とゆず」
「マジ!? 速水と組んじゃっていいのか!?」
さっき言っていたのと同じチーム編成に、一番喜んでいたのはまっちゃんと呼ばれる大男だった。
「んじゃ、はじめんぞ!」
そう言いながら、右肩に左手を乗せてグルグルと回すその姿は先輩そのものだもんな。
どうして気がつかなかったのか。
昼休みにバスケをするときは、たいてい櫻井とは同じチームだ。
だけど、これからやるバスケは、櫻井とは対戦相手。
ワクワクしないわけがない。
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