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櫻井のクセはわかっているつもりだ。
だけど、それは櫻井だって同じであって、俺のクセを奴はわかっているはず。
そうなると不利なのは、俺のほうか。
まっちゃんっていうヤツと、敦士っていうヤツがどれほどの実力なのかわからないから。
今は様子見るしかないだろうな。
なんて、これから始まるゲームについてあれこれ考えながら。
さっきから、ずっと気になってることがある。
相変わらず、櫻井とゆずの距離が近いんだよな…
ゆずの耳元で何か言って。
それに反応するようにゆずが焦って苦笑いしている姿を見て。
思わずムッとしてしまう。
「…本気で言ってたんだ」
そんなゆずの声に、無意識に耳を傾けている自分がいた。
「あったり前だろ! こんなチャンス…」
「チャンスって?」
櫻井とゆずのやり取りに割り込んだのは、半分わざとだった。
ただ、邪魔がしたかっただけだった。
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