Act.4

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「ニッ、内緒。なあ、ゆず?」 そんな俺の行動に気が付いたのか、櫻井は嫌味ったらしい笑みを浮かべて。 俺に見せつけるようにゆずの肩に腕を回す。 そんな櫻井の姿に内心ムカムカが治まらないけど。 さすがに初対面のメンツがいる前でいきなりキレるのもどうかと、グッと堪えながら笑顔を作った。 そのせいで、握った拳に力が入りすぎて痛いけど… 「…何が内緒よ」 呆れた顔して櫻井を睨んでるのに。 そのゆずの瞳が優しいせいで、余計に腹の中がムカムカしてくる気がした。 ゆずが悪いわけじゃない。 これは、完全なる嫉妬だ。 櫻井が羨ましいんだ。 ゆずに簡単に触れられることも。 櫻井のくだらない言葉に呆れながらもちゃんと応えるゆずの姿に。 櫻井の隣にいるときの表情豊かなゆずに。 櫻井が羨ましくて仕方ない。 目の前でじゃれあう二人を笑いながら傍観してはいるけれど。 内心穏やかではなかった。 そんな俺の隣に並んだのはまっちゃんと呼ばれていたヤツだった。
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