Act.4

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「速水ってゆずと付き合ってるんだって?」 突然の問いに、思わず目を見開いて隣を見遣ると。 「隼人、落ち込んでたぞ」 「は?」 意味不明の言葉に口をあけたまま隣にいる男を凝視する。 「ああ、俺、松原直己。みんなにはまっちゃんって呼ばれることが多いかな、よろしく」 「…よろしく。って落ち込んでって…」 まっちゃんは曖昧に笑うだけで、何か言う前にゲームが始まってしまった。 …落ち込んだって。 やっぱり、そういう意味だよな。 薄々は感じてたけど… やっぱ、好きだった? だよなぁ…と、小さく呟いた俺の声は周りの掛け声に掻き消されていった。 「速水、パス!」 突然名前を呼ばれて。 気がつけば、目の前にバスケットボール。 意味深な言葉を残していった張本人は、ニカッと満面の笑みで俺にパスを出していた。 さすが櫻井の友だち。 意味深なことを匂わせながら、核心には触れようとしない。 そういうところ似すぎだから、と小さく息を吐いてから。 ゲームに集中しようと気持ちを切り替えて、手にしたボールを持って振り返ったところで。 「えっ…」 俺の前にはゆずの姿があった。
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