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「翔、ゆずだからって手加減すんなよ」
マジか…
手加減すんなって言われたって、そうもいかないだろ。
ゆずの後ろでウヒャウヒャと馬鹿みたいに笑う櫻井にイラッとしながら。
目の前にゆずと対峙したところで、どうしたらいいのかわからない。
やりづらい…けど、そんなキラキラした目で見られたら、やらないわけにもいかない。
20センチくらい違う身長。
俺を見上げるゆずは、初めて見る私服姿で、いつも下ろしている髪はアップにされていて。
いつもと違うゆずに、それだけで心臓がバクバク言ってるって言うのに…
この距離感。
バスケをしていて今まで気にしたことなかったことなのに。
そのあまりの近さに、ゆずからする甘い香りに一瞬クラッとしそうになって。
真っ直ぐゆずを見ることができなかった。
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