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手先が冷たい。
ただただ心配で、その想いだけで走り続けたのに、皮肉なことにもう日が落ちてきている。
もう諦めるしかないのか。
悔しいが、この寒さではどうにもならない。
とりあえずホッカイロを取りに家に帰ろう。
と、おもったら。
「ーーーーー探したよ」
僕の家の前に、彼女がいた。
大きな瞳に溢れんばかりの涙をためて。
「今日、どうしてきてくれなかったの?」
僕の言葉にビクッと反応した拍子に、彼女の瞳から涙が一筋落ちる。
しかしすぐに、下くちびるをかみしめながらこちらを見た。
「チョコ…失敗しちゃって」
そう言う顔が、不謹慎ながらとてもかわいくて、愛らしくて、ふっと笑ってしまった。
「そんなことだろうと思った」
僕は、ポケットに入れていた箱を彼女に手渡す。
「え、なんで、どうして、、、?」
それは、ハート型のチョコレート。
「だってほら、きみ、チョコ好きだから」
「そうだけど、、、」
「街中で彼女が好きなものを売ってるんだもん。そりゃあげたくなるよね?」
彼女がふふっと笑う。
「そうだけど、でも、2月14日は、女の子から男の子にチョコをあげる日なんだよ」
「僕にとっては2月14日も、15日も、16日も、
毎日、君に笑顔をあげる日なんだよ」
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