記憶をなくした日

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私の体がこの一片を知っているのだろうか、お臍から疼きが上がってくる 4人が交差点の中央部を間もなく通過しようとしたその時、背後から青年が叫ぶ一片が塵のように降ってくる。  「危ない」 そう叫ぶ声は記憶なのか、今の私なのかわからず。 とにかくそこからはあっという間のエピローグ  青年に重なるように大型トラックのブレーキ音が塵にまとわりつく火のように心に響く   「痛いっ」 激しい耳鳴りが私を襲ってくる。この数時間と思われる(きおく) のなかで身体の感覚を明確に感じる。  訳もわからずいると・・・・・・・私(少女)の体を痛みが貫いた。 〈・・・・・・体が・・・・カラダが動かない〉  槍で貫かれたような痛みが襲い、そのあとにくる身体の麻痺。  体の半部が亡くなったように体の上か下どちらかの感覚がなくなった。   そして、本はそこで途絶えた。
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