70人が本棚に入れています
本棚に追加
｢唯・・・・・・・・・・・｣
（ぁ・・・・声が出ない・・・。もう、どうして・・・）
ズボンを水に浸らせた彼女が私に駆け寄って頬に触れてくる。頬に触れて、愛おしそうに見つめ、そんな彼女の若々しい肌を見つめてしまった。頬は柔らかく、唇は瑞々しい、大半の人類が美しく見えるその姿、かくいう私にも美人だ。
〈きれい・・・彼女をもっと見ていたいかも・・・・〉
ベットの上に横たわる私表情はないけれど、心の底から彼女を見てみたいと思った。
長い眠りの中、昏睡状態であったため、脳が一部寝たまま立ち上げされていない、眠った状態のままである。
「ねえ、唯。何か言って・・・・、私ずっと待っていたのよ。唯・・・・・何か声を聞かせて」
彼女の心から必死さが伝わってくる。だが静かに優しく彼女は首を傾げながら問いかけるだけで、大人とはまだ呼べない年頃なのに強く心をこらえる姿は儚げで悲しくなった。
〈お願い声を出して〉
｢唯って誰なの？｣
彼女は息を呑み、深く息を吸う動作を行うが絶苦して、涙を淑女のように丁寧に拭った。けれども、また一粒、一粒と涙は溢れ、大きく滴る。
そんな中でも思うのだ、彼女の目は美しく、宝石のようで、、、
最初のコメントを投稿しよう！