けんか/怜史中1

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学校に着く。 グランドでは体育の授業が行われており、ふと懐かしくなる。 車の到着を見た学年主任の先生が入り口で待っていた。 壱野が東中に在学中にもいた先生だ。 笑顔で出迎えてくれてもいいのに険しい表情で壱野を出迎える。 「ああ、先生。怜史がすみません。」 「えらいことなっとんねん。」 出されたスリッパを履き、慌てる先生に続く。 「朝から授業は出とらへんかったみたいやわ。ほんで廊下うろついてたら2年に絡まれてケンカになったみたいでなぁ。見つけた先生に止められても暴れて殴る蹴るや。学年違う先生に注意されて「お前誰やねん!」言うて暴言もええとこや。」 「すみません…。」 「部屋入れて話聞こう思ても暴れ回って全然あかんわ。机や椅子やらも蹴るし…ほれ、これや。」 ドアの前で立ち止まると中から弟の叫び声と先生達の声、ガンガンと乱暴な音が聞こえる。 「はぁ。」 返事ともため息とも言えない声が漏れる。 「ほんま、すいません。」
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