11人が本棚に入れています
本棚に追加
車に乗って直ぐに煙草に火をつける。
大きく深呼吸。
クソガキ怜史の野郎…。
今まで何度か電話をもらう事はあった。
後日呼び出されることも、家庭訪問も。
リアルタイムで呼び出されたのは初めてだった。
講習も今日なら職場の会議室で終えれたのに。
またみんなに噂されるのだ。
ついに呼び出されて学校に出張って行ったぞと。
スポーツ医療の専門学校に通い出して数ヶ月の時に両親を事故で亡くし、研修で行っていた今の職場に就職させてもらったのだ。
この点だけでおばちゃん達は「何か困ってることはない?」とやたら世話を焼いてくれる。
実際、野菜や米を貰っておりかなり助かっている。
お礼に少し噂話を提供したんだ、と言い聞かす。
そういや諒太は今日非番じゃなかったか?と気付く。
先生は家に電話をかけなかったのか。
煙草を灰皿に押し込み、諒太に電話を掛ける。
最初のコメントを投稿しよう!