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あんな人がパートナーに選ばれて、喜んだ自分をうらめしく思うが。反省する余裕はない。敵は三体に分かれて迫ってきている。近づくにつれて、動きが早くなっている。まるで、体が慣れてきたと言うように。
持っていた学生鞄のふたを開こうとする。焦っているせいか。震えているせいか。普段なら簡単にできる事がうまくいかない。思い切って、縫い目が解けた箇所に手を入れる。左右に引っ張った。中身を地面にぶちまける。両膝をついて、紙に手を置く。一本の指につき、一枚の紙だ。
彼が自分の左側を通っていく。視界の片隅で捉えた。頭に考えをかすめる。パートナーを危険にさらしたくない思いが、どこかにあれば。こちらに来ないのではないか。敵が追ってくると想像できるのだから。たとえ、パートナーの使う魔法が守りに長けていると分かっていても。考えても敵を連れて来てしまっている事実は変わらない。頭を切り替えて叫ぶ。
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